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学校スタッフリレーエッセイ「わたぼうし」

20166月】「母のプレゼントから思うこと

舟越美幸

中学2年生になる娘に私の母が「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」という絵本をプレゼントしてくれました。その本の主人公である前ウルグアイ大統領のホセ・ムヒカ氏は、「貧乏とは少ししか持っていないことではなく、無限に欲があり、いくらあっても満足しないことだ」と私たちが幸せに生きるために大切なものは何かを語りかけてくれます。給料の大半を貧しい人のために寄付し、町から離れた農村から古びた愛車を自分で運転して大統領の仕事に向かう姿にウルグアイの人たちは親しみをこめて「ぺぺ」とよんでいるそうです。
 先日原爆投下をした当事国であるアメリカのオバマ大統領が広島を訪れ、「わたしたちは原爆投下の瞬間を想像し、混乱した子どもたちの恐怖や犠牲者にも我々と同じ生活があったことへ思いを馳せることが大切だ」と平和と犠牲者への追悼の意を示すスピーチをされました。また、広島市の平和記念公園にある「原爆の子の像」のモデルになった少女、佐々木禎子さんの兄・雅弘さんと原爆投下を決めたトルーマン元米国大統領の孫クリフトン・トルーマン・ダニエルさんらが平和を願う団体を立ち上げることになった話もニュースで取り上げられていました。
 我が子が4、5歳の頃、ベスコフの「もりのこびとたち」やクーニーの「にぐるまひいて」のように互いを支え合う家族の姿が描かれた絵本に出会い、その世界観に憧れの気持ちを持ちました。文明や発展を追い求める便利な生活を喜ぶ私ですが、そんなこととは無縁な生活を送る、それらの絵本の家族の姿からは、なんとも平和で力強く生きる姿を感じることができます。
私たちはそれぞれが異なる価値観をもち、叶えたい願いや夢を持っています。大きなことはできませんが、私自身、時間にゆとりのない毎日の中で、今の私でできるささやかな幸せを周りの誰かに届けられる人になりたいと思う今日この頃です。


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