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学校スタッフリレーエッセイ「わたぼうし」

201311月】「専門職として

沼田年子

私は、この春、児童福祉科の教員として第二の人生をスタートしました。よそ目には、気持ちも新たに意欲に燃えスタートラインに立ったようですが、実は、自分の中ではそうでもなく、お世話になった地域に何が返せるかという問答の中で選んだ道でした。

私の同年代のほとんどの人が、学校生活が終わると、就職し、挫折や限界など経験することがなければ、あるいは、自分自身を納得させることができたら、その職場で、年を重ねます。私も、その時代の学校生活を楽しみ、就職しました。自分では正道を歩んでいると思いながら、傍からはずいぶんあちこちよそ見しながらの道だったようです。周囲にいる先輩、仲間にずいぶん助けられ、専門職の道を歩むことができました。

この学校は、専門学校です。専門職を育てる学校です。ですから当然、学生は、保育士或いは介護福祉士という職業人になるという目的意識を持って入学された方です。

それでは、専門職の道を選んだ動機はなんだったのでしょう。児童福祉科の学生は、きっと、子どもが大好き、子供に夢を与えられたらなど、漠然とした憧れの中で選択されたことでしょう。

しかし、日々の学習で、保育士として当然備えるべき基礎知識から保育の実践授業、保育実習、たくさんのことを経験しながら、単なる憧れから確信に変わり「保育士の卵」になっていきます。その成長が、実習に出掛ける学生の表情や言葉によく顕れています。おもわず「すごい!」と感動しています。

「こんな授業なんの役に立つのだろう」、「保育とは関係ないでしょ」と思っている1年生。将来、ふとした場面で「あっこんな事習ったなあ」、「このことだったのか」と気づくことがあるはずです。今の授業は、知識の深さと幅を広げる役に立っています。2年生は、そろそろ学校での学習は終わります。が、まだまだ「保育士」の完成品ではありません。やっと「ひよこ」になったところです。これからが、専門職としての勉強の日々です。諸先輩からの学びや支援、そして、常に自己研鑚の努力をしないと一人前の成鳥にはなれませんし、自分を高めることができません。厳しいのですが、これが専門職の運命ですし、やりがいであり、誇りとなります。

とはいうものの、毎日、仕事と勉強ばかりでは、息切れしてしまいますし、視野の狭い人になってしまいます。専門以外にも目を向けて、豊かな時間を楽しんでほしいものです。時間は、すべての人に平等に、一日24時間、365日が与えられています。この時間をどう使うかは、それぞれ。「専門ばか」にならないように、広い視野、豊かな心を持った保育士になってほしいと願っています。


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