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学校スタッフリレーエッセイ「わたぼうし」

20137月】「田んぼの魅力

堅田知佐

このリレーエッセイの締め切り日である今日、本校での地域交流事業として数年前からお世話になっている比田地区老人会の方々と一緒に田んぼの草取りを行ってきました。この地域交流事業は8年前から行っている事業で、老人会の方からの協力を得ながら続けてきた活動です。5年前からは、収穫祭を行うなど、地域の方々との交流を楽しませていただいています。

今日は、暑すぎず寒くもなく雨も降っておらず、活動しやすい天気で、私も学生と一緒に草取りを行いました。田んぼにはおたまじゃくしや、ヤゴ、クモ、カエルなど、普段の私の生活では全く会うことのない虫達に遭遇し、子どもの頃を思い出します。本校に来るまでは田んぼの中に入ったこともなかった私ですが、老人会の方々に田んぼでの歩き方や稲の植え方、草の抜き方など、一から教わりました。

田んぼの草は、抜いた後に根っこごと丸めて再び田んぼに埋めてしまいます。また草が生えないのかな、と思っていましたが、これが肥料になるそうです。ECOという言葉が使われ始めて随分経ちますが、私たち日本人の身体を作ってきたお米は、まさに自然の恵みを何一つ無駄にせず、活用した結果できる食べ物だということを感じることができました。田んぼの雑草だけでなく、水や虫、太陽など、私たちが生きていくためにはなくてはならないものです。しかし、私は普段の生活ではこれらを「感じる」ことはあまりありません。特に、建物の中で仕事をしていると、太陽を浴びることもなく、雨に濡れることもありません。私が田んぼに入らせていただくのは年に数回ですが、入る度に色々なことを実感するのです。精米されたお米も、いきなりお米になるのではないということ、お米が育つためには自然に大きく左右されるということ、こんな当たり前のことですが、これらを実感することができるのです。

昔の人はお米は最後の一粒まで食べなさい、と言ってこられました。お米の一粒が育つためには様々な恵みや人々の営みがあるのだ、ということを今年も田んぼに入ったおかげで思い出すことができました。

人間も自然の一部である以上、本来人間の生活も自然と一体化しているはずで、自然に触れることで様々な感覚が呼び起こされます。寝たきりの方も家の中にずっといるのではなく、天気のいい日は外に出てみたり、気持ちいい風に触れてみたりと、たまには雨に濡れてみる。田んぼをしていた人なら田んぼの泥に触れてみてもいいかもしれません。きっと何かが刺激され、こころがふっと軽くなるのではないかな、ということを今日の草むしりをしていてふっと思いました。


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